悪玉口腔内細菌

悪玉口腔内細菌が血管に入り込み、全身疾患を引き起こす菌血症。今、歯科医師が全力で制御しなければならない疾患です。

悪玉口腔内細菌

歯周病が悪化すると歯が抜けるだけでなく、全身疾患を引き起こす可能性があります。それは歯周病によってお口の中に小さな傷ができ、そこから1日数万個の悪玉口腔内細菌(虫歯菌や歯周病菌など)が体内に侵入するからです。この状態を菌血症と言います。

悪玉口腔内細菌血管に入り込んだ悪玉口腔内細菌は、アテローム性プラークを形成します。そして、アテローム性プラークによって動脈硬化が進行し、突然プラークが破裂して血管内で血液が固まることがあります。これが血栓となって血液によって全身に運ばれ、さまざまな疾患を引き起こすのです。

現在、菌血症と全身疾患との因果関係は明らかになっています。しかし、菌血症は医師が治療することはできません。菌血症は歯科医師が制御しなければならない最も重要な疾患なのです。

菌血症によって引き起こされるおもな全身疾患

悪玉菌による全身疾患
動脈硬化・心臓疾患
悪玉菌が体内に入り込むと、その刺激によって動脈硬化を誘導する物質が出てきます。そして血管内にプラークと呼ばれる粘り気のある沈殿物が貼りつき、動脈硬化を引き起こします。動脈硬化になると心臓の筋肉に血液が行き渡らなくなり、心筋梗塞などの心臓疾患が起こってしまいます。

脳梗塞
悪玉口腔内細菌が血液を通って全身を巡り、血管内にプラーク(糊状の脂肪性沈殿物)を作ります。そのプラークが脳の血管を詰まらせて起こるのが脳梗塞です。場合によっては、脳以外の部分にできたプラークが剥がれて脳の血管を詰まらせることもあります。歯周病の人は、健康な人と比べて約3倍脳梗塞になりやすいと言われています。

誤嚥性肺炎
高齢の方は、食事のときに食べ物が気管や肺に入り込むことがあります。その際、肺に細菌が繁殖し、病気が引き起こされることがあります。それが誤嚥性肺炎です。誤嚥性肺炎の原因となる細菌の多くは、口腔内で繁殖した歯周病菌だと言われています。

糖尿病
歯周病が糖尿病の合併症のひとつということは以前から言われていました。また、近年になり、歯周病になると糖尿病が悪化することもわかってきました。反対に、歯周病の治療によって糖尿病が改善されるという相互関係を立証する調査結果も出ています。歯周病と糖尿病は、お互いに悪影響を及ぼし合う関係なのです。

関節炎・腎炎
さまざまな原因で起こる関節炎や腎炎ですが、その原因となる細菌の多くは、歯周病の原因菌です。歯周病によって増えた口腔内の細菌が血液中に入り込むと、関節炎や腎炎になるリスクが高まります。

骨粗しょう症
骨粗しょう症は、骨の密度が低くなり、骨がやせ細ってくる病気です。同時に歯を支えている歯槽骨ももろくなってくるため、骨粗しょう症の方は歯周病にもかかりやすい状態だと言えます。

早産・低体重児出産
悪玉口腔内細菌は、女性ホルモンにまで悪影響を及ぼします。 歯周病菌に含まれる毒素や炎症物質の濃度が血液中で高まると、子宮筋が収縮し、胎児が十分に成長できない状態で出産する可能性が高まります。その結果、体重2,500グラム未満の低体重児の出産や早産の恐れもあるのです。

【悪玉口腔内細菌のおもな除菌方法1】3DS療法

3DS療法3DSとはDental Drug Delivery System(デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)の略称です。徹底したPMTCを行ったあと、患者さんのお口にフィットする専用トレーに薬剤を入れてお口の中に装着し、悪玉口腔内細菌を殺菌します。

3DS療法を行うことにより、通常の歯磨きよりも悪玉口腔内細菌の少ない状態が長期間維持されます。一般的に、効果は4~6か月持続すると言われています。

3DS療法の詳細はこちら 「3DS療法で徹底的に除菌」へ

【悪玉口腔内細菌のおもな除菌方法2】ヒールオゾン

殺菌効果は塩素の7倍程度あり、細菌や雑菌を死滅させるスピードは300倍あるとされるヒールオゾンを導入していますヒールオゾンは、歯科機器の世界的トップメーカーであるドイツ・カボ社によって開発されました。オゾンとは酸素から作られる殺菌力の強い気体です。殺菌効果は塩素の7倍程度あり、細菌や雑菌を死滅させるスピードは300倍あるとされています。

ヒールオゾンを使ってオゾンを歯の中に噴霧すると、虫歯菌の99%が死滅します。当院は、日本で10番目に「ヒールオゾン」を導入しました。

【悪玉口腔内細菌のおもな除菌方法3】根管内嫌気培養法

虫歯が歯髄まで進行した場合や根の病気になってしまった場合には、根管治療を行う必要があります。しかし、根管治療がうまくいかないと、根管が細菌感染を起こして再発のリスクを高めてしまいます。根管を無菌状態にして密閉するのはとても難しいことなのです。

根管内内嫌気培養法の治療例

根管内内嫌気培養法は、根管内の殺菌の有無を調べ、その細菌に一番効果的な薬剤を特定して無菌化する治療法です。根管内内嫌気培養法を行えば、根管内が完全に無菌となるまで治療することができます。

詳しくはこちら「根管内嫌気培養法症例」

インフォメーション

06-6841-8217 〒561-0881 大阪府豊中市中桜塚4-7-4 当院までのアクセスはこちら 診療時間 ○平日は午前9:00~13:00 / 15:00~19:00 となります。
◎土曜日は午前9:00~12:00 / 13:00~17:00 となります。
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